2019年7月11日木曜日

素描・いけ好かない人たち

(どうもこの人、いけ好かないな)と思うことはよくある。
理屈は正しいのだが、どうでもいいような些事を取り上げては、
ひとこと物申す、という感じで、団地総会などでこの手の御仁が発言しだすと、
みな(またかよ……)といったウンザリ顔で、時計を気にしたりする。
悲しいことに本人は得意満面のドヤ顔で、あたりを睥睨(へいげい)
するかのように胸を張っている。で、またやたら長いのですよ、
この手合いの話は……。

そんな、どこにでもいそうな〝変な人たち〟を思いつくままに挙げてみる
(おれもヒマだな)
気位の高い人
知り合いのひとりなのだが、自分からは絶対に挨拶しない。こっちが「Sさん」と
呼びかけると、さも驚いた風を見せ、挨拶を返してくれるのだが、なに最初から
気づいているのである。このSさん、「若い頃はさぞや」と思わせる美人のおばさん
なのだが、このわざとらしいおトボケぶりが欠点といえば欠点。
たぶん一生この調子だろう。

相手の顔をジロジロ見るおじさん 
比較的年配のおじさんに多いタイプ。散歩のときなどで、
すれ違う際にジロジロ顔を見られる。「こいつはどんな素性の男なんだ?」と、
訝しそうな顔で通り過ぎる。国際的なマナーでは、相手の顔をジロジロ見る
というのはバッドマナーの典型。発展途上国などでよく見られるマナー違反だが、
先進国の日本でも〝おじさん〟と呼ばれる種族はよくこれをやる。

人の話を聞かず、自分ばかりしゃべりたがる人
記者時代は職掌柄、三分七分で(相手が七分)、どっちかというと聞き役に
回っていたが、今は四分六分くらいになっていると思う。時々、
「嶋中さんは聞き上手よね」などとお褒めの言葉をいただくことも。
話が盛り上がる時は互いに話のキャッチボールをしている時。
一方だけがしゃべり、それも自慢話ばかりだったら確実にきらわれる。

いわゆる〝正論おじさん〟
一部で社会問題化しているのがこの〝正論おじさん〟や〝暴論おじさん〟の存在。
言っていることは正しいのだけれど、重箱の隅をつついたような
枝葉末節のことばかり。「あなたもそう思うでしょ?」と時に同意を
求められたりするのだが、ボクは顔で笑顔を作りながら、
心の中で(ハイ、ハイ)と聞き流している。わが団地にも佃煮にするくらいいる。

〝ながらスマホ〟で自転車に乗ったり車を運転したりする人
おしゃぶりを手放せない赤ん坊みたいに、スマホ中毒にかかっている大人たちが
いっぱいいる。スマホの画面に夢中で、通行人や車に無頓着なヤングママがいた。
あろうことか彼女はベビーカーを押していた。ボクは思った。
(豆腐のカドに頭をぶつけて死んでしまえ!)と。電柱のほうがいいか(笑)。

〝本人〟の幟(のぼり)をたて、やたら握手をしたがる候補予定者
選挙期間外に自分の名前を出したり演説したりすると〝公選法〟違反になる、
というのは知っている。だが、あの〝本人〟と謳った幟やタスキを見かけると、
(バカみたい)とつい思ってしまう。自転車で走り回っている候補者を見ると、
どんなに高潔な人物であっても〝マヌケ〟に見える。いけ好かないな、
あの〝本人〟の幟は。

スーパーのレジで執拗に小銭で支払おうとするおばあさん
レジ係も呆れ、列に並んだ客たちから舌打ちされたりしているのに、
われ関せずとばかりに、財布から一円玉や五円玉を取り出そうとするおばあちゃん。
そしてまたその動きがスローモーション映像みたいに遅い。
小銭をためておきたくない気持ちはわかるが、
少しは周りの空気を読んでくれないと……齢は取りたくないもんだ。

ストリートアートと称して落書きをする無法者ども
ボクはそもそも落書きというものが大きらい。他人の家の壁や塀にスプレーで
落書きをし、「これはアートです」と開き直るものがあったら、平手打ちを
喰らわせてやりたい。バンクシーの落書きだけはアートとして価値が
認められているそうだが、これもおかしな話で、落書きする人間はどいつも
こいつも一網打尽にしてひっ捕まえ、法外ともいえる罰金を科したほうがいい。
なにがアートだ、バカバカしい。


←バンクシーの落書きだけが許されるなんて……








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