(どうもこの人、いけ好かないな)と思うことはよくある。
理屈は正しいのだが、どうでもいいような些事を取り上げては、
ひとこと物申す、という感じで、団地総会などでこの手の御仁が発言しだすと、
みな(またかよ……)といったウンザリ顔で、時計を気にしたりする。
悲しいことに本人は得意満面のドヤ顔で、あたりを睥睨(へいげい)
するかのように胸を張っている。で、またやたら長いのですよ、
この手合いの話は……。
そんな、どこにでもいそうな〝変な人たち〟を思いつくままに挙げてみる
(おれもヒマだな)。
●気位の高い人
知り合いのひとりなのだが、自分からは絶対に挨拶しない。こっちが「Sさん」と
呼びかけると、さも驚いた風を見せ、挨拶を返してくれるのだが、なに最初から
気づいているのである。このSさん、「若い頃はさぞや」と思わせる美人のおばさん
なのだが、このわざとらしいおトボケぶりが欠点といえば欠点。
たぶん一生この調子だろう。
●相手の顔をジロジロ見るおじさん
比較的年配のおじさんに多いタイプ。散歩のときなどで、
すれ違う際にジロジロ顔を見られる。「こいつはどんな素性の男なんだ?」と、
訝しそうな顔で通り過ぎる。国際的なマナーでは、相手の顔をジロジロ見る
というのはバッドマナーの典型。発展途上国などでよく見られるマナー違反だが、
先進国の日本でも〝おじさん〟と呼ばれる種族はよくこれをやる。
●人の話を聞かず、自分ばかりしゃべりたがる人
記者時代は職掌柄、三分七分で(相手が七分)、どっちかというと聞き役に
回っていたが、今は四分六分くらいになっていると思う。時々、
「嶋中さんは聞き上手よね」などとお褒めの言葉をいただくことも。
話が盛り上がる時は互いに話のキャッチボールをしている時。
一方だけがしゃべり、それも自慢話ばかりだったら確実にきらわれる。
●いわゆる〝正論おじさん〟
一部で社会問題化しているのがこの〝正論おじさん〟や〝暴論おじさん〟の存在。
言っていることは正しいのだけれど、重箱の隅をつついたような
枝葉末節のことばかり。「あなたもそう思うでしょ?」と時に同意を
求められたりするのだが、ボクは顔で笑顔を作りながら、
心の中で(ハイ、ハイ)と聞き流している。わが団地にも佃煮にするくらいいる。
●〝ながらスマホ〟で自転車に乗ったり車を運転したりする人
おしゃぶりを手放せない赤ん坊みたいに、スマホ中毒にかかっている大人たちが
いっぱいいる。スマホの画面に夢中で、通行人や車に無頓着なヤングママがいた。
あろうことか彼女はベビーカーを押していた。ボクは思った。
(豆腐のカドに頭をぶつけて死んでしまえ!)と。電柱のほうがいいか(笑)。
●〝本人〟の幟(のぼり)をたて、やたら握手をしたがる候補予定者
選挙期間外に自分の名前を出したり演説したりすると〝公選法〟違反になる、
というのは知っている。だが、あの〝本人〟と謳った幟やタスキを見かけると、
(バカみたい)とつい思ってしまう。自転車で走り回っている候補者を見ると、
どんなに高潔な人物であっても〝マヌケ〟に見える。いけ好かないな、
あの〝本人〟の幟は。
●スーパーのレジで執拗に小銭で支払おうとするおばあさん
レジ係も呆れ、列に並んだ客たちから舌打ちされたりしているのに、
われ関せずとばかりに、財布から一円玉や五円玉を取り出そうとするおばあちゃん。
そしてまたその動きがスローモーション映像みたいに遅い。
小銭をためておきたくない気持ちはわかるが、
少しは周りの空気を読んでくれないと……齢は取りたくないもんだ。
●ストリートアートと称して落書きをする無法者ども
ボクはそもそも落書きというものが大きらい。他人の家の壁や塀にスプレーで
落書きをし、「これはアートです」と開き直るものがあったら、平手打ちを
喰らわせてやりたい。バンクシーの落書きだけはアートとして価値が
認められているそうだが、これもおかしな話で、落書きする人間はどいつも
こいつも一網打尽にしてひっ捕まえ、法外ともいえる罰金を科したほうがいい。
なにがアートだ、バカバカしい。
←バンクシーの落書きだけが許されるなんて……
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