2016年10月26日水曜日

ドゥテルテはただの暴言王ではない

米国のオバマ大統領は比大統領のドゥテルテから「売春婦の息子」と
罵倒された。オバマだけではない。駐比アメリカ大使は「このオカマ野郎」と
罵られ、訪比したローマ法王に対しても「もう来るな!」、
国連には「脱退してやる」などと息巻いた。

いまやドゥテルテは〝暴言王〟などという尊称まで奉られ、
その一挙手一投足が世界中のメディアから注視されている。

フィリピンは貧しい国だ。輸出品といえばバナナとマグロくらいしか
思いつかないだろうが、最大の輸出品は、実は女の子だ。ダンサーやホステス、
ハウスメイドに看護婦……彼女たちは異国の地で懸命に働き、
稼いだ金を母国に送金する。その送金でフィリピン経済は支えられているのである。

そんな貧しい、ちっぽけな国の大統領が、アメリカの大統領に向かって、
「アメリカ軍は2年以内に出ていけ」、「オバマは売春婦の息子だ」と
国際儀礼上、考えられないような下品な言葉で罵倒した。 
これはいったい、どうしたことなのか。ドゥテルテはなぜこれほどまでに
アメリカを嫌うのか。

ジャーナリストの高山正之は、ドゥテルテは骨の髄までアメリカ嫌いで、
オバマを罵倒したのも確信犯だから、と言っている。ドゥテルテは麻薬の売人を
裁判にもかけず、およそ2000人も処刑してしまった。オバマはすぐに「人道的に
問題だ」と非難したら、「お前たちにそんな批判をする資格があるのか」と、
反論したのである。

今から1世紀以上も前、アメリカとフィリピンは戦争をしていた。米比戦争
(1899~1913)がそれで、その折、レイテ島の隣にあるサマール島で米軍の
2個小隊がゲリラに襲われ、38人の兵が殺害されてしまった。これに怒った
米軍の駐留司令官は、レイテ島とサマール島の島民を皆殺しにしろ、と命令した。

この命令を出したのは、かのダグラス・マッカーサー将軍の父親である
アーサー・マッカーサー・ジュニアなのである。殺された島民の数は
およそ10万人。この虐殺命令には事前に「10歳以下は殺すな」という
但し書きがあったが、実行部隊は「10歳以下の子供はひとりもいません
でした」と報告し、了承されたという。女子供もかまわず皆殺しにして
しまったのである。ドゥテルテはそのレイテ島の生き残りの血筋に当たるという。
怨み骨髄、というのも理解できる。

米兵38人対フィリピン人100000人。それも非戦闘員の民間人だ。
フィリピン人の命はアメリカ人のそれの2600分の1の重みしかないのか。
こんな非条理が赦されていいものか。東京大空襲や原爆によって
フィリピン人と同じように、いや虫けらと同じように殺された日本人。
アメリカ人の目には日本人もフィリピン人も同類で、虫けらそのもの
だったのだろう。


フィリピン人はスペイン人と300年間戦い、次いでアメリカと戦った。そして
大虐殺という試練を乗り越えてきた。ドゥテルテの支持率は圧倒的に高い
というが、それは彼がフィリピン人の積年の怨みを代弁しているからだ。

高山は「アメリカが通ったあとはペンペン草も生えない」と言うが、
いまそれと同じことを支那がチベットやウイグル、内モンゴルでやっている。

渋谷の駅頭で、ハロウィーンなどと言って仮装行列しているノーテンキな
若者たちよ。君らにはアメリカのお妾さんの子孫なのだ、という自覚すらないのか?
よくもまあ、そんなうすらみっともない格好で街を歩けるよな。
ボクの目には暴言王のドゥテルテのほうが、よほど上等な人間に見えるよ。

2016年10月24日月曜日

三島はダテや酔狂で自裁したのではない。

もうすぐ読書週間(27日~)がはじまる。
こっちはそんなもの関係ない。毎日、読書を欠かさないからだ。
活字を読むことはめしを食ったり呼吸するのと同じで、
ボクの場合は毎日のルーティンワークになっている。

本格的に本を読み始めたのは中学からだから、もうかれこれ半世紀になる。
昨日は就寝時に『福田恆存評論集』第8巻の中から「滅びゆく日本」と「當用憲法論」
を読み返した。

なぜ日本国は滅びてしまうのか。生来、「悲観的楽観主義者」だという福田は、
《私たち日本人が敗戦によって私たち自身の歴史、伝統を自ら否定し、
意識的にそれとの断絶を計ったことにある》という。

福田はさらにこういう。
《一人の人間を他の人間と区別しうるもの、つまり、その人をその人たらしめているもの、
それはその人の過去以外の何物でもありません。記憶喪失者の例を見れば、
その事実はおそらく自明のことと思われます。自分が何者であったか、どういう生き方
をし、誰とつき合っていたか、そういう過去の記憶を喪失した人間は、同時に未来をも
失うのであります。過去を失えば、現在をも含めて今後どうして生きていったらいいか、
何をすべきか、その方途も根拠もまったく失ってしまうのです。人が未来に向かって
行動を起こす出発点はその人の過去であって、現在そのものでは決してない。
なぜなら、現在とは過去の集積そのものだからです》

三島由紀夫が自決したのは、戦後の日本人が、いとも簡単に過去を否定し、
成金旦那のアメリカに、半ばむりやり押しつけられた平和憲法と民主主義の中で、
まるでお妾さんのように、ぬくぬくと生を享受してきたからである。

過去の歴史や伝統的な生き方を否定した日本人が、
国家、あるいは民族としての連帯感を失ってしまったのは当然の話で、
そこに気づかぬ限り日本は滅びると、福田は言い、
三島も命を賭して訴えたのである。

昨日は近くにある陸上自衛隊の朝霞駐屯基地で安倍首相を招き「観閲式」があった。
早朝から報道ヘリなどが上空を飛び交い、そのうるさいこと。
またそれに輪をかけて、左翼のデモ隊が多数押しかけ、「安保法制ハンタ~イ!」
「若者を戦場に送るな!」などと、トンチンカンなシュプレヒコールを繰り返していた。
そのバカバカしいこと。

左翼というのは底なしに愚か者なのだな、とつくづく思った。
左翼のダメなところは、現実に目を向けず、理想ばかり追っているところだ。
ボクは筋金入りのリアリストで、「合理的であるか、正当性があるか」を
行動規範にしている人間なので、夢見がちの目をした理想主義者、
いやむしろ「空想主義者」と呼ぶべきだろうか。そんな連中とは、
土台肌が合いっこない。

ボクも昔は〝夢見るシャンソン人形〟だったので、その愚かさがよく分かるのだ。
なぜ分かったのか。ひたすら本(主に歴史関連の本)を読んで勉強したからである。
学ぶことで空想主義から決別することができる。理想を口にするのは大切だが、
あくまで現実の世界に足をつけたうえでの理想でなくてはならない。しかし、日本の
空想的社会主義者たちは昔も今も地に足をつけていない。
要は、不勉強な愚か者たちの集まりなのだ。

ボクは愚か者などとつき合っているヒマはないので、これからもずっと
彼らを身辺に近づけないようにするつもりだ。バカはジカ熱みたいに感染するからだ。
そして、そのおバカなヴィールスを媒介する藪っ蚊みたいな新聞が
朝(鮮)日(報)だ。日本に真の「Daybreak」が訪れるのはいつの日のことだろう。




2016年10月23日日曜日

ゴキブリ亭主のゴキブリ体操

朝、起きぬけにベッドの上で体操をする。
「ゴキブリ体操」というもので、断末魔のゴキちゃんが、ひっくり返って腹を上に向け、
脚を震わせるというあの〝体操〟である。

テレビか何かで、あの体操が体に良いというので、健康志向の強い女房がまず始めた。
床なりベッドなりに仰向けにひっくり返り、手足をバタバタさせる。
心臓より手足を高く上げ、小刻みに振るので、まるでゴキブリの断末魔の姿に似ている
ため、だれが名づけたのか「ゴキブリ体操」。よくぞ言ったものである。

これを一回30秒~1分ほどやるだけでいい。
毎日続けると血流がよくなり、そのおかげで代謝が上がり、肥満の解消にもつながる
という。血圧が下がり、中性脂肪値が下がり、パンパンに張った足のむくみがなくなり、
腰痛の改善にもつながるらしい。なんだかウソのような話だが、ボクはもうずいぶん
長い間、ベッドの上で続けている。ゴキブリ亭主の面目躍如といったところか。

それと、最近凝っているのが、ぶら下がり健康法。
もともと腰痛持ちなもので、油断をするとすぐおかしくなってしまう。
腹筋に背筋、体幹のトレーニングは欠かさないが、それでも原稿書きの仕事が入り、
日夜パソコンの前に張りつくような日々が続くと、やはり腰が痛くなってくる。

そんな時は、すぐさま近くの公園のジャングルジムへ行き、鉄の棒につかまるのである。
実はぶら下がるだけでも大変なのだが、ボクの場合は、ぶら下がったまま時計の振り子
のように身体を左右に振る。これがきつい。およそ20回も振ると手がしびれてくる。
でも背骨がググッと伸びた感じがして、実に気持ちがいいのだ。

子供たちや若い奥さんたちがいるところでこれをやると、
「なんか、あのおじさん危ない人かも……」と、不審者扱いされかねないので、
できるだけ早朝か深夜にやる。おじさんも、これで何かと気を遣っている。

そんなことを毎日励行しながら、この1カ月、家に缶詰めになってPCとにらめっこを
していた。書き上げた原稿は約800枚(1枚400字)。製本すると450ページくらいの
厚さになる。物書きなんて因果な商売、と思いつつも、けっこう楽しみながらやっている。
他のことは何もできないし、やりたくもない。自分にはこの商売が合っているのだろう。

いっぺん過労死で死んでみたいものだが、
そんな売れっ子ではないので、マイペースでぼちぼちやっている。
これからもずっとこんな調子でやっていけたら、と思う。

さあ、これから(15:30~)いつものキャッチボールだ。
キャッチの後は公園のベンチで小宴会。
この毎週の恒例行事も、もうかれこれ10年続いている。