「希望の党」が一夜にして「失望の党」に、あるいは「絶望の党」に
変わり果ててしまった。大躍進を期待されたのに、結果は大惨敗。
小池百合子党首は今、進退まで問われる事態に追い込まれている。
メディアはどこもかしこも〝小池悪玉論〟で沸き立っている。
メディアにしてみれば、小池党首が善玉だろうと悪玉だろうと関係ない。
事態がスキャンダラスであればあるほど視聴率アップにつながるため、
嬉しくてしょうがないのだ。つい数日前までは、小池を「安倍一強」政権に
楯突く聖女ジャンヌダルクなどと讃え、時ならぬ小池旋風が日本国中に吹き
荒れていたものだが、投票日が近づくにつれ、その熱は急速に冷めていった。
その原因を報道番組のコメンテーターなどは〝排除の論理〟がきらわれたのでは、
などともっともらしく分析しているが、ほんとうだろうか。
あの「排除いたします」という発言は都知事の定例会見の中で飛び出したものだ。
記者の質問に対して小池代表は、
《前原代表がどういう発言をしたのか、承知をいたしていませんが、
『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。
取捨(選択)というか、絞らせていただきます。それは、安全保障、
そして憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党としての、
政党を構成する構成員としての必要最低限のことではないかと思って
おりますので、それまでの考えであったり、そういったことも踏まえながら
判断をしたいと思います》
と答えている。
至極まっとうな答えではないか。ただ笑みを浮かべながら《排除いたします》
とやってしまったのが、判官びいきの有権者にきらわれたのかもしれない。
「民進党」から「希望の党」へすり寄っていき、みごと落選してしまった
議員たちは、そのお膳立てをした前原誠司党首に対して「想定外もいいところ」
とか「どれだけの人間が泣いたのか」などと不満をぶつけるだけでなく、
小池党首に対しても「こんどは小池が排除される番だ」などと癇癪玉を
破裂させている。往生際が悪いというか、みっともないことおびただしい。
いったい揉み手をしながらすり寄っていったのはどこのどなた様ですか、
と問いたい。小池が言うように、憲法や安全保障に対する考え方がバラバラ
では、およそ政党の体をなさないではないか。民進党は護憲派で、自衛隊の
存在も憲法違反だ、などと訴えていた。一方の希望の党は少なくとも保守派で、
憲法改正にも賛成している。両党はまるで考え方がちがうのである。
街の声をひろうと、選挙は「人柄で選ぶ」などという人がけっこう多いが、
この手の人たちが日本の民主主義を一番ダメにしている。多数決を旨とする
議会制民主主義にあっては、議員はただの「頭数」に過ぎないのだから、
小選挙区であれ比例区であれ、基本的には「政党」で選ぶべきものなのである。
その理屈がわかっていないから、「美人だから」とか「人柄がいいから」で
投票してしまう。人柄の良し悪しなど見た目だけでわかるのかいな。
「このハゲ―ッ!」のT女史だって、口は悪いけど人柄はよいかもしれないし、
このボクだって、人を10人くらい殺していそうな悪党づらをしているが、
人柄はすこぶるよい(と思う)。
話を元に戻そう。定見がなく腰のグラついている旧民進党議員の話である。
奴さんたちは憲法改正反対、自衛隊など認めない、安保法制にも反対と口を
極めて反対していた。いちはやく希望の党にすり寄り、恥ずかしくも
小池百合子様の股の下をくぐった民進党幹部の細野豪志などは、
つい数日前まで、「安保法制反対! これは戦争法案だ! 断固阻止すべし!」
などと、SEALDs(共産党傘下)のガキどもと一緒に国会前で叫んでいた。
イケメンかもしれないが、この男、変節漢の最たるものだ。
それなのに、ああそれなのに……少しでも勝機がありそうと見るや、
今まで掲げていた思想信条の一切をかなぐり捨て、小池党首の人気に
あやかろうとする。こうした変節漢どもは、股の下をくぐれと言われれば
平気でくぐるだろうし、あそこを舐めろと言われれば、嬉々として舐めるだろう。
その意気地のなさ、無定見、いじましさ、無節操。
そして落選するや「話がちがう」「小池と前原にだまされた」
などと不平タラタラ。ああ、情けなや。
不平を並べる前に、まず自身の不明を恥じろ、とボクは言いたい。
こんな低レベルの総選挙なら、AKB48の〝総選挙〟のほうがよっぽどマシだ。
もう一度言う。あっちウロウロ、こっちウロウロの能なしタマなし議員ども、
恥を知りなさい、恥を!
この狂騒劇を見ていたら、懐かしき童謡を思い出した。
♪勝ってうれしい はないちもんめ、
負けて悔しい はないちもんめ、
あの子がほしい、
あの子じゃわからん、
相談しましょ、そうしましょ。
『はないちもんめ』
こっち側にほしい議員とほしくない議員。その選別をみんなで相談することの
いったいどこがいけないというのだ。ボクの敬愛する文芸評論家の福田恆存は
こう言っていた。
《政治などという〝賤業〟は政治家という〝賤民〟に任せておけ》
この一連のドタバタ騒動を見るにつけ、「政治家=賤民」説にもろ手を挙げて
賛成したくなった。福田の慧眼たるや、おそるべし。
嶋中労さま
返信削除おはようございます。
今回の選挙を振り返り気が付いたのですが、先生方にしろ政治評論家にしろ
テレビのコメンテーター(大学の教授)にしろ、この機会に一旗上げようとの
魂胆が見え隠れするのが、普通の人なんだなと思った次第です。
そして、自称「保守」で、立憲民主党や共産党の応援に行く人がテレビに写しだされますが
不思議でなりません。マスコミと日教組の解体を願うばかりです。
田舎者様
返信削除こんにちは。お変わりありませんか?
こっちは半身不随で往生してます。
さて、マスメディアと日教組の解体を願うという貴兄の考えに賛成です。
今度の選挙では20代の若者たちが自民党を支持したのに対し、
60代が立憲民主党などサヨクを支持していた、と報じられています。
60代のリベラル支持はまさしく日教組の影響です。
この世代はボクも含めて日教組の組合員に教育されましたから。
彼らはしきりに朝日新聞を読むことを生徒に勧めました。
試験問題は〝天声人語〟の中から出す、と半ば嚇しました。
その影響で、哀れ60代のジジババはいまだに朝日にマインドコントロールされ、
そのことに気づいてもいません。ボクの友人たちの中にも、
そうした可哀そうな人間がいっぱいいます。
歳をとると意固地になるのか、ボクが朝日批判をすると不機嫌になります。
まさかGHQもここまで効果が長続きするとは思わなかったでしょうね。
WGIP(War Guilt Information Program)も罪深いものです。
結果的に与党が勝って、ボクは安心しています。
この非常時に、あっちウロウロ、こっちウロウロしているような、
腰の定まらない野党政権では日本は亡んでしまいますからね。
世間では自民党が「保守」で、リベラル政党を「革新」と呼んでいますが、
今は立場が逆転しています。改憲を唱える自民党が革新で、
護憲派のリベラルを保守と呼ぶべきなのです。それも頑迷固陋な保守と。
ボクはリベラルと名のつくものはすべてきらいです。
偽善だからです。きれいごとばかり言って、いかにも弱者の味方です、というような顔をする。
しかし、いざという時、一番頼りにならないのはこうした連中です。
ボクにはよくわかるんです。ボクこそサヨクからの転向者ですから。