欧米の白人たちにとって、有色人種はいまだに〝人間もどき〟に過ぎない。
白人が1等人種なら、黒人やアジア系は2等~3等、日本人だけが特別に
準1等を許されている、といったかっこうだ。
ボクにはオーストラリア人の友人がいるし、オーストラリアからの留学生も
ホームステイさせたことがある。また女房や娘は彼の国を仕事や観光で
訪れてもいる。いまや多文化主義を国策として掲げているオーストラリアは、
白人と有色人種が共存する理想的な国のように思える。
しかしこの国には恥ずべき歴史がある。
かつてこの国には600万人の先住民・アボリジニがいた。
欧州からの移住者たちは、アメリカ大陸で移住者たちが先住民(アメリカ・インディアン)
を虐殺したのと同じように、アボリジニをためらいなく殺していった。
50万人のアボリジニが住んでいたタスマニア島では、そのほとんどが崖から
突き落とされた。あるいは銃で撃たれた。最後に残った数千人は、岩だらけの
孤島に移され、全員が餓死した。
アボリジニは〝スポーツハンティング〟の延長にある〝獲物〟に過ぎず、
人間とは認められていなかった。〝アボリジニ狩り〟は20世紀の半ばまで
続き、ニューサウスウェールズ州の図書館には、
《週末、アボリジニ狩りに出かけた。収穫は17匹》(1927年)
と記した白人の日誌があるという。
白人の持ち込んだ病気に免疫性がなかった、というのもアボリジニ人口衰退の
遠因になっている。結局、600万人もいたアボリジニは今、かろうじて30万人が
生き残っているに過ぎない。それでも白人たちの白人至上主義的な優越意識は
抜けず、いまだに黒人やイスラム教徒、メラネシア人やアボリジニに対する差別は
根強く残っている。
彼らにはナチスのホロコーストに匹敵する大虐殺をしているにもかかわらず、
その反省が微塵もないのだ。これは驚くべきことである。
それでいてクジラを殺して食用にする日本人を〝野蛮人〟と口汚く非難する。
人間であるアボリジニを600万人近く殺しておいて、そのことを恬として恥じず、
あろうことか人間でもないクジラを殺している日本人を野蛮だと決めつける。
日本人と支那人がくしゃみをすると風邪をひくというオーストラリア。
いつまでもアナクロな白人至上主義なんぞを掲げていると、
いつしか立場が逆転し、スポーツハンティングの的にされちまうぞ!
←アボリジニ狩りの〝収穫〟
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