臆面もなく言わせてもらうと、ボクには『築地のしきたり』(NHK出版)という名著がある。
シマナカロウではなく実名のコバヤシミツルで書いた本で、毎日築地に日参し、
築地場内・外をくまなく歩きまわり、多くの人の声を拾い、関連図書などを渉猟して
書き綴った力作である(←自分で言うな!)。
何度も言うが「迷著」「冥著」の類ではない、「名著」だ。
なぜそう言い切れるのかというと、自分でも名著だと思っているからだ。
わずか2つしかないが、読者レビューでもみごと★5つ。その中の一人は
《なかなかの名著です》と書いてくれている。
見ず知らずの人がそう言っているのだから、
これはもう名著というしかあるまい。
築地場内市場を歩いていると、やたらカモメが目につく。
東京でいやでも目につく鳥といえば、あの傍若無人なカラスだが、
ここ築地ではカモメが電線やトラックの荷台に陣取って賑やかに啼きたてている。
築地は都心に近いとはいえ、360年ほど前までのこの地は海の中にあった。
明暦の大火(1657)後に、神田山を崩した土や人工の築地川を掘り下げた土などで、
築き固め、浅瀬の海を陸地に変えたのだ。海を埋め立てたところだから〝築地〟。
これが築地という地名の起こりである。わがもの顔に海鳥が飛んでいたとしても、
少しも不思議ではない。
豊洲の新市場で、盛り土がしてあるしてないで、やけにかまびすしいが、
このままいくと、新市場への移転は相当先になりそうだ。小池都知事が
「粛清します」などと、都の木っ端役人どもに恫喝をかけているくらいだから、
もうしばらくはメディアの注目を浴び続けるだろう。
この騒動に乗じて、ボクのこの〝名著〟も復刻版が出ればいいな、などと、
つい虫のいいことを考えてしまう己が悲しい。ネットの中古本市場では、
たった1円ポッキリ(←1円はないでしょ、ウウウ……)で売ってますから、
慧眼の士で、なおかつ心ある読者はぜひ買ってみてくださいな。
←著者自らが〝名著〟と太鼓判を押す
幻の力作。
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