2019年7月4日木曜日

甘ちゃんの政治屋どもがはびこる国

例によって米国のトランプ大統領が言いたいことをいっている。
「日米安保条約は不公平だ」と。
日本が他国に侵略されたら、アメリカはそれこそ死力を尽くして日本を護るが、
逆の立場だったらどうか。日本はアメリカを助けてくれるか。アメリカのために
兵士たちは命がけで戦ってくれるか?

アメリカの言うことにも一理ある。日本は安全保障関連法が成立したおかげで、
米艦を防護したり、集団的自衛権の〝限定行使〟がほぼ可能になった。
それでもアメリカは日米安保条約を「片務的な合意だ」と不平を鳴らす。
安倍内閣のおかげで相当部分双方向の中身に変わりつつあるのだが、
やはり現行憲法の制約で、死力を尽くして共に戦う、というわけにはいかない。
ボクだったらトランプちゃんにこう言うね。
「グチャグチャ文句を言うなよ。本(もと)を正せばお前たちが無理やり押しつけた
憲法じゃないか。文句をいうなら、改憲の後押しでもやったらどうだ!」



かつてアメリカはフィリピンでヘマをやらかしている。
1991年11月、米国のクラーク空軍基地をフィリピンに返還しているのだ。
この年の4月、同国のピナトゥボ火山が噴火し、火砕流が空軍基地を覆い、
多くの建物が倒壊した。当時、〝冷戦終結〟という環境変化もあって、
この機にアメリカはスービック海軍基地と共に、フィリピンから撤収
することにしたのである。

するとどうなったか? さっそく中国のお出ましである。
南沙諸島の環礁の一つであるミスチーフ環礁を埋め立て、人工島を造って、
軍事基地化を推し進めているのである。そして今、3000m級の滑走路まで造り、
実効支配している。この環礁はフィリピンだけでなくベトナムも領有権を主張
している。が、そんな弱小国の言い分に耳を傾ける中国ではない。

「この海域は昔から中国のもので、歴史的にもそのことが証明されている」
などと一方的に主張。「九段線」なるもので、南シナ海がスッポリ収まるような
境界線を勝手に引き、主権や歴史的権利を主張している。フィリピンやベトナムは
これに猛反発、国際司法の場に訴えた。国際司法裁判所は原告側の主張を全面的に
認め、中国の主張にはまったく根拠がないと一蹴した。しかし厚顔な中国は、
「そんな紙っぺら1枚に何の価値もない」
とうそぶいた。そしていまだに中国の実効支配は続いている。

このミスチーフ環礁の事例は決して対岸の火事ではない。
アメリカの軍事的プレゼンスがなくなった途端に、中国やロシアがこれ幸いと
その空隙を埋めようとする。国際政治の場は、油断も隙もあったもんじゃないのだ。

沖縄の玉城デニー知事は、前任の翁長知事とまったく同じ口調でこう言っている。
「普天間基地の県外移設と早期返還をお願いしたい」と。
沖縄には申し訳ないが、普天間飛行場から米軍が撤収したら、
フィリピンの二の舞になるかもしれない。尖閣どころか台湾も沖縄も中国に分捕られ、
軍事基地化されてしまうかもしれないのだ。
「そんなの杞憂ですよ」
と誰が確信をもって言えよう。

沖縄が中国のものになれば、太平洋への入口が一気に開かれる。
中国とロシアがそのことをどれほど望んできたか。
地政学的な価値からすると、沖縄は中国にとって垂涎の的なのである。

アメリカのトランプがあんまりゴチャゴチャ言うようなら、
こう言い返してやればいい。
「日本も核開発しますよ」と。
開発した核を世界一静粛性の高い日本の潜水艦に積んで東シナ海を遊弋(ゆうよく)
させれば、さすがの中国も手が出まい。イギリスは核弾頭付きのトライデント・
ミサイルを搭載した4隻の原子力潜水艦を保有している。たった4隻でも抑止力は
十分で報復を恐れどの国も手出しができない。この比較的安価なイギリス方式を
マネればいいのである。

集団的自衛権の行使は違憲であり、安保法制は〝戦争法案〟だ、
などと、相変わらず日本の野党はいきり立っている。
では日本の平和と安全をどうやって守るのだ、
揚げ足取りばかりやってないで対案を出せ、と言ってもそれはないという。
「話し合いで解決すべきだ」
などと子供じみたことをいう。話し合いで解決できないかしら、
とフィリピンやベトナムは国際司法の場に訴えた。で、解決したか?

国際政治の場は「話し合いで解決」できるような生やさしい場ではない。
軍事力を背景としたパワー対パワーがぶつかり合う決闘場みたいなところで、
そんなことは少し歴史を齧れば分かることだ。世界は冷徹な〝パワーポリティクス〟
によってどうにか均衡が保たれているのである。国同士の〝善意〟が通用する
ような場では金輪際ないのだ。

まずは憲法を改正して自衛権の問題を現実的なものに戻さなくては
何も始まらない。それより何より、日本国は〝平和を愛する隣国〟の
善意によって護られている、といった内容のあの恥ずかしい〝前文〟を
何とかしてくれ。気恥ずかしくて読むに堪えない。
恥を知らない野党の〝税金ドロボーたち〟には到底理解できまいが、
憲法改正は国家の存亡に係わる喫緊の課題なのである。





←中国が軍事基地化を進めている
南シナ海の人工島。

2 件のコメント:

  1. 嶋中労さま

    こんばんは。
    『国際政治の場は「話し合いで解決」できるような生やさしい場ではない。』のところを
    読みまして母親の言葉を思いかえしました。
    それは、「お人好しだけではダメなんだ」です。そして次のような言葉が続いたのです。
    「社会に出て(この場村の集まりなど含め)何でもかんでもハイハイと受けていると人に
    いいように使われるだけなんだよ。」

    確かに話し合いは必要です。譲ることも必要です。その前に自分が生き抜くための考え方と
    力がそれ以上に必要であるということがようやく分かりはじめた55歳です。

    日本国が持つべき力とは他国に負けない自信を取り戻すことなのではないでしょうか。
    確かに核は力の塊です。

    ありがとうございます。

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  2. 田舎者様

    外交官とは国益のためには平気でウソをつける人たち、のことらしいです。
    そしてまた外交とは、テーブルの上で笑顔で握手し合い、テーブルの下では
    思いきり相手の向こうずねを蹴とばすこと――というのが定義だそうです。

    外交というのはキツネとタヌキの化かし合いですから、
    田舎者さんとかボクみたいな正直者?には向きません。


    日本は唯一核被害にあった国ですから、「核」という言葉に対してアレルギーがあります。
    「核」と聞いただけで思考停止になり、「核武装」などというと「あいつは極右の危ない奴」というレッテルを貼られます。

    ボクは何度も言うように「核武装すべし」と考えるものです。
    隣国の中国やロシアは核武装しています。北朝鮮も同じ。
    その北朝鮮に韓国のムン大統領は揉み手をしながらすり寄っています。

    あわよくば、南北統一を果たし、核ミサイルだけは温存する腹づもりでしょう。
    核を持てば憎っくき日本に脅しをかけられる。
    危ないです、あの国は。

    外交の世界で〝甘ちゃん〟は命取りになります。
    そうならないためにも、日本は核武装するべきです。

    でも、憲法改正というだけで「平和憲法を護れ!」と騒ぎ出す国民ですから、
    核武装論を理解してくれるかどうか……失礼ながら女性たちには理解は無理でしょうね。

    今回はここまでにします。
    ありがとうございました。

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