2019年8月22日木曜日

朝の公園は人間交差点

和光市には東京ドーム4.3個分の広さを誇る「県営和光樹林公園」がある。
ボクはほぼ毎朝、この樹林公園で数時間過ごす。
公園内には1周1キロのジョギングコースがあり、毎朝ジョガーたちが
必死の形相で走っているが、ボクはヒザ痛の持病を抱えているので、
ウォーキングやジョギングはパス。芝生広場で軽い体操や筋トレをやっている。

緑に囲まれた芝生広場には、早朝、愛犬家たちが集まってくる。
広場の端のほうで、リードを外し、思いきり走らせているのだ。
いわゆる〝ドッグラン〟状態。ノーリードは規則違反なのだけれど、
ほんの数十分だけだからと、管理事務所の職員も見て見ぬふりだ。

ボクはこの愛犬家のおじちゃんやおばちゃんたちと、いつの間にか
言葉を交わすようになり、今ではほとんど毎日、おしゃべりに興じている。
犬たちの名はモモ、ユキ、ムツゴロウ、クリス、フクサブロー……といったもので、
犬種もさまざまだ。犬同士も逢うと嬉しいらしく、しっぽを振りながら
じゃれ合っている。その様子がとても可愛く、つい頬がゆるんでしまう。

芝生広場には他に名物の〝紙飛行機おじさん〟たちも来る。
それぞれ自慢の紙飛行機を飛ばしているわけだが、
(いったい何が面白いのかねェ……)
と、ボクにはいまだに理解不能で、自分で作って飛ばしてみよう、
などとは金輪際思わない。あのパフォーマンスも〝自己承認欲求〟の
一種なのかもしれないが、魅力の本質がさっぱり掴めないので、
おしゃべりにはつき合うが、
紙飛行機の飛ぶサマはほとんど無感動のまま眺めている(Nさんゴメンネ)


←この紙飛行機おじさんは
Nさん。もと整骨院の院長で、
自転車レースで名を馳せた人でもある。








公園にはさまざまな人間が集まってくる。
今日初めて会ったおばちゃんは、芝生公園の端っこで本を音読していた。
見ると歌舞伎の口上や〝生麦生米生卵〟といった早口言葉、古典の名句などが
集められている本で、こうした名句を高らかに音読することで、心と身体を
鍛えているという。おばちゃんは馴れないのか、恥ずかしそうに音読していたが、
腹から声を出すのは身体によさそうだ。また暗唱すればボケ防止にもなる。

そうかと思うと、木陰でオカリナを吹くおばちゃんたちがいる。
『蘇州夜曲』『東京ブギウギ』『高原列車は行く』といった懐メロで、
どちらかというと親の世代に流行った曲ばかりなのだが、幼い頃に聴いた
曲調が耳に残っていたので、いっしょに歌ってみたら、おばちゃんたちは
殊のほか喜んでくれた。

毎日顔を合わせれば、自然と「おはようございます」の挨拶が交わされる。
こうして知り合った〝ともだち〟がけっこう多くて、友達の輪がどんどん
広がっていく。幸い、ボクは誰とでも気さくに話せるオープンな性格なので、
彼らも自然と受け入れてくれるようだ。いくぶん残念なのは、知り合いになった
人たちのほとんどがボクより年上で70代、80代の人ばかり。
ほんとうは〝若い人妻たち〟を友達リストに加えたいのだが、
実際は〝年老いた人妻たち〟ばかりで、いまひとつモチベーションが上がらない(笑)。

そうは言っても、鏡に映ったわが身を見ると、紛うかたなき〝おじいさん〟で、
人のことをとやかく言えた義理ではないのだけれど、そこはまだ現役の〝🚹〟
であるからして、ムダな抵抗と知りつつ、一言いってみたいのである。

朝晩、ようやく涼しくなってきた。
明日も、また明後日も、樹林公園で〝若い人妻〟探しの旅が続くだろう。
ホンにご苦労なこった。


←やや〝若い人妻〟(笑)。
ワン公は左が「モモちゃん」、
右が「ユキちゃん」。





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