2019年9月4日水曜日

ニンゲン様は偽善がお好き?

英国最大の野党・労働党が先ごろ公約を発表した。
①商業捕鯨の再開をやめさせる←これは明らかに日本を標的にしている。
②競馬でムチを使用しない←お尻が痛いの、と馬が訴えてるんだって。
③ロブスターやカニを生きたまま茹でない←熱くて火傷すっから、だって。
➃ガチョウやアヒルに強制的に餌を与え肝臓を肥大化させるフォアグラ。
その輸入を禁止する←フォアグラは旨いけど、確かにこれはちょっとかわいそうだな。

①イギリス人ごときに言われたくないよね。
世界中を植民地にし、数世紀にわたって暴虐の限りを尽くしたくせに、
なに? 「頭のいいクジラを殺すなんて、日本人は野蛮よ!」だって?
ふざけるな。お前たちが狩りのように殺しまくったニンゲンは、
クジラ様より頭のわるいゴキブリ以下の生き物なのか?

お前さんたちに人権や動物の権利を語る資格などハナからありませんよ。
クジラを食べたり犬を食べたりするのはその国固有の文化で、
日本にはいただいた肉への感謝や弔いの意をこめて造った鯨塚がいっぱいある、
という事実すら知らんだろ。包丁塚や人形塚も同じ。生命が宿っていないものにも
感謝の思いを捧げる。生きとし生けるものには命が宿る、とする古神道的な心性
が無機的なものにまで及ぶ、と考えるのが日本人だ。鯨の油だけ搾り取って、
肉も皮も骨も髭もポイと海に捨ててしまう欧米人などとは、
人間の出来がちがうのだよ。

②たしかにムチで叩かれれば痛いよね。人間も動物もおんなしだ。
でも、もともと人間の快楽のために始めた競馬でしょ? 
ドッグレースにしたって同じ。動物にしてみりゃ、(なんで走らにゃいかんのよ?)
と思うでしょ。みんな人間がわがまま勝手に始めたこと。動物に競走させて、
勝った負けたと賭け事に興ずる。敗戦後、マッカーサーは靖国神社を
ドッグレース場に変えようとしたからね。何を今さらムチは使わない、だ。
そういうのを偽善と申します。

③エビやカニにしてみりゃ、いきなり熱湯に入れられたら驚くよね。
だからせめて息の根を止めてから茹でるべき、というのだけれど……
日本にはシロウオやタコの踊り食い、なんていう食べ方がある。
欧米人から見ると、ひどく残酷に映るらしいけど、あれって、けっこう旨いんだよね。
活け造りだって、まだ肉がピクピクしてるのを日本人は平気な顔して食べる、
と欧米人は顔をしかめるけど、アメリカ先住民の村を襲って、
赤ん坊を放り投げ撃ち殺したり、妊婦の腹を裂いたりする残酷さに比べたら、
まだマシでしょ。道徳家ぶるんじゃない、と言いたいね。

➃バブル期、ヨーロッパの星付きレストラン数十軒をめぐって、
数百万も散財し(スポンサーの金で)、高級ワインやフォアグラなどの珍味を
いやというほど堪能したことがあるけど、たしかにフォアグラやキャビアはうまいな。
でもフォアグラができるまでの工程を知ったら、ガチョウにいささか同情した。
ガヴァージュ(強制給餌)の仕方がとても残酷で、ガチョウが苦しそうなのだ。
むりやり肥大させた肝臓を食べておいしいと舌つづみを打つ人間という生き物。
地球は人間の天下なのだから仕方ないことかもしれないが、
ボクも偽善者の一人だから、フォアグラは当分食わないことにする。
いや、ほんとうは懐がさびしくて食えないのだけれどね(笑)。

英国労働党の公約に対するボクの正直な感想は以上のようなもの。
動物愛護の精神には敬意を払うけど、偉そうに上から目線で言われると、
いささかカチンとくるね。欧米人のダメなところはそこ。
自分たちが同じ人間に対して行った無慈悲な行為は棚に上げ、
「動物の権利を守りましょう!」などと善人ぶった正論を吐く。
「どの面さげて言うのか!」とボクなんかは思ってしまう。

左翼的な思想の凝縮されたリベラリズムは今、欧米でも行き詰ってしまっている。
唱えていることは正論で文句のつけようのないことばかりなのだが、
political correctnessがすでに破綻しているように、リベラル的な思想は
〝偽善〟だということが白日の下に晒されてしまっている。

英国労働党の掲げた公約はまさに〝偽善〟そのもので、
日本語でいうところの〝ええかっこしい〟というやつだ。
さんざっぱら馬の尻を叩き、茹でたエビやカニを食いまくり、
フォアグラに舌鼓を打ってきたのに、突然、動物愛護の化身となって、
「残酷なことはもうやめましょう!」と唱え出す。
ええかげんにしいや、とボクは言いたい。

以前、アリを踏み殺してはかわいそうと、注意しながら歩いていたら、
脚がこんがらがって転んでしまった。動物愛護もほどほどにしたほうがいい。



←残酷?なガヴァージュ(強制給餌)



2 件のコメント:

  1. 嶋中 労さま
    昨日はありがとうございました。
    お会いできなかったのが残念でなりません。
    何しろ揚げ物の後でしたので、シャワーを浴びていました。
    この歳の汗は粘りますので、股ずれが酷くならぬうちに流します。

    労さん、会いたいな。

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  2. なごり雪様
    人のことは言えないけど、もう少し痩せようね。
    そうすれば股ずれはなくなるから。

    逢いたいね。あの日、長徳寺で墓参を済ませて、
    それからなごり雪さんのお店へ。

    還暦になった股ずれおじさんのご尊顔を拝し、柏手を打ちたかったんだけど、
    シャワーを浴びている最中。
    (ああ、一所懸命仕事したんだろうな。だからおいしい豆腐ができるんだ……)
    などと感心してたら、お姉さん?が、
    「すぐ呼んできますから」
    などというものだから、こっちは恐縮して退散、退散。

    股ずれおじさんのお顔を拝するのは次の機会にします。

    粘っこい汗はよく流して拭いてね。

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