2017年10月16日月曜日

艶聞と醜聞との間に

民進党の幹事長候補だった山尾志桜里議員は、年下イケメン弁護士との
週4密会〟が『週刊文春』に報じられ、党を追われるハメになった。
〝週1〟くらいに留めておけばよかったのに、派手に〝肉食〟すると
こうなる。山尾は『保育園落ちた日本死ね』で、待機児童問題に熱心な
フリをした議員として有名だが、自らの不貞が因で『衆院選落ちた〝文春〟死ね』
ともなれば笑うに笑えない。

仄聞(そくぶん)するところによると、ドイツやイギリスの某医師や某調査機関は、
前頭葉の発達したIQの高い女性ほど性行為が好き
との報告をしている。そういえば山尾センセーは天下の東大法科卒で司法試験にも
受かり検察官をやっていた。文字どおり知能指数の高い女性であった。でも不倫が
バレて失脚してしまうと、実は高かったのは〝知能指数〟ではなく〝痴脳指数〟
とか〝恥脳指数〟だったのでは、とイヤミのひとつも言ってみたくなる。

近頃は政治家や芸能人の〝不倫〟が大流行である。
こっちも甲斐性さえあれば〝流行りもの〟には便乗したいクチなのだが、
容姿や体力には自信があるものの、いかんせん先立つものがない。
そんなカラッケツから見ると、ホテルでの〝週4〟におよぶ不義密通は
羨ましくてしかたがない。

アメリカではケネディまでは醜聞ではなく艶聞だった》と書いたのは、
ボクの師である山本夏彦である。マリリン・モンローがケネディの愛人だった
ことは公然の秘密だったが、それを咎める無粋なものはいなかった。
まだ『英雄色を好む』という格言が生きていた時代なのである。
また欧米にはこんな気の利いた格言もある。
He who loves not wine, women and song remains a fool his whole life long.
(酒も女も歌も好まない男は、一生バカげた人生を送るハメになる)
このセリフ、宗教家マルティン・ルターの名言というから面白い。

今太閤とかブルドーザーと呼ばれた日本の元首相は、執務中に勃然(ぼつぜん)
きざすと、赤坂の待合に電話して、 お茶を挽いている芸者を枕席(ちんせき)
はべらせたという。せっかちなこの男、30分足らずで〝用を足す〟と、
女将にも仲居にもたっぷりと心づけをはずんだという。

一方で、宇野宗佑元首相は、神楽坂の芸妓に指3本(月30万のお手当)で
「おれの囲い者にならないか?」と持ちかけた、と『サンデー毎日』に
すっぱ抜かれ、辞任に追い込まれた経緯がある。その時の週刊誌編集長が
あの都知事選に出馬した鳥越俊太郎だ。ところがこの俊太郎君、
およそ15年前に自分の別荘で女子大生に淫らな行為におよんだ、
とこんどは『文春』にすっぱ抜かれてしまった。因果はめぐる小車(おぐるま)か。

他人を厳しく批判しておきながら、自分も秘かに同じ房事(ぼうじ)に励んでいる。
ジャーナリストたちは政治家や芸能人に向かって「不倫はしていませんよね?」
などと君子然とした顔で問うているが、なにこの問いかけは自分を棚に上げた
うえで発しているに決まってる。どちらも同じ穴のムジナなのである。

ボクは何度も言っているが、政治家の〝臍(へそ)下三寸〟は問わないことにしている。
まっとうな政治さえ行ってくれれば、愛人を何人囲おうと知ったことではないし、
艶福家(えんぷくか)のほうがむしろ人間味があっていい、とさえ思っている。
身辺清潔なだけの朴念仁(ぼくねんじん)じゃあ、善政どころか人がついてこないだろう。

山尾を筆頭に〝育休不倫〟の宮崎謙介、今井絵理子、そして芸能界では
斉藤由貴と……まさに〝次から次へ〟の勢いだが、こんなことは今に始まった
ことではない。人類創生以来やっている。メディアや大衆は、彼らを指さし
まるで犬畜生のように難じるが、その前に自分の胸にしかと訊いてみるがいい。
「はたして自分は身辺清潔な聖人君子だろうか?」と。

彼ら〝不倫ごっこ〟のお好きなセンセー方は、どう転んだって我われの中から
選ばれたものだし、我われ以上でないまでも断じて以下ではない。彼らはカネ
と名声を得る代わりにプライバシーを売り渡した人たちで、大衆のカタルシス
のはけ口として〝見世物〟の対象になるのは致し方ないことなのだ。

ああ、艶聞(えんぶん)をふりまきながらも大衆に愛された
「アラカン」や「カツシン(勝新太郎)」の時代がひどく懐かしいよ。



←「嵐寛寿郎の他に神はなかった」と
大衆に愛されたアラカン。次々と女に惚れ、
一銭の財産も残さず世を去った我らがヒーローである

2 件のコメント:

  1. 嶋中労さま

    おはようございます。

    「ごっこ」の出来る人は、羨ましい限りです。
    所詮、人間の男であったっり女であったりすることが、自然の一つとして
    国会議員でも芸能人でも一般人でも、素直に出てしまうのではないでしょうか。
    それが人類の歴史であるのですが、常にまた人間として嫉む心を持ち合わせて
    いますのも歴史です。

    開き直って「悔しかったら、やってみろ」とは今の時代、言えないのかもしれません。
    時の流れにより、今までだったら許せた(当たり前)のことが許せなくなる時代へと
    変化している節目なのかもしれません。

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  2. 田舎者様
    ハリウッドを追放された大物プロデューサーみたいにカネと名声があれば、愛人なんていくらでも手に入るかもしれませんね。幸せの99%はカネで買えるらしいですから。「悔しかったら、やってみろ!」と、ドヤ顔で言ってみたいですねえ。カネも名声もない下々のものは、母ちゃん一筋の「一穴主義」を貫くしかなさそうです。

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