2018年2月23日金曜日

デカけりゃいいってもんじゃない!

スピードスケート女子団体パシュートで日本の4人が会心の滑りを見せてくれた。
出場選手は高木菜那、美帆姉妹に佐藤綾乃、菊池彩花の4人。菊池(170㎝)は
準決勝で文字どおり高木姉妹の〝壁〟となり、捨て石となることで、みごと
決勝要員の体力を温存させてくれた。ちなみにパシュートpursuitとは追跡とか
追い越しの意だ。

団体パシュートは個々人の能力はもちろんだが、一糸乱れぬ滑りで、いかに
正確にラップを刻むかが鍵になるという。そのためには「ワンライン」と
呼ばれる一心同体の隊列を組まなくてはならない。振りあげる手、足の運び、
前傾の角度までピッタリ揃え、真正面から見るとまるで一人の選手が滑って
いるように隊列を整える。すべては風の抵抗を最小限にとどめ、最後の周回まで
体力を温存させるためである。

団体パシュートのスピードは時速50㌔以上。このスピードで車の窓を開け
はなったときの風圧を想像してもらえれば分かるが、風圧をもろに受けると、
体力は著しく消耗する。なにしろ横に身体が40㎝ズレただけでも一人で
滑っているのと同じ風圧を受けるというのだから、交代で風よけの〝壁〟を
つくるという理屈もよく理解できる。

壁も大事だが、隊列の組み方も大事だ。風の抵抗を最小限に抑えるため前の
選手にピッタリくっつき、美尻を拝むようにして滑る。ワンラインから生まれる
穏やかな気流の渦の中に入ってしまうと、後続選手は実に楽チンなのである。

そのことは水泳でも実感できる。ボクはよく同じような力量の仲間と
インターバル練習をやったものだが、先行する人のバタ足がつくり出す水流の
渦や泡に身をまかせてしまうと、なんというか、ほとんど水圧を感じずスイスイ
と泳げるのである。あまりに楽チンなので調子に乗り、勢い余って先行する
見知らぬオバちゃんの股ぐらに頭から突っ込んでいってしまったことがある。
(よりにもよってオバンの股ぐらかよ……若い娘だったらどんなによかったか)
そんな不謹慎なことを想いながら平謝りに謝ったものだが、それくらい水圧とか
風圧の影響は大きいのである。

日本チームは1周400㍍のラップを28秒台でキープ、対するオランダチームは
27秒で刻むこともあったが、最後の1周は30秒台とややバラツキがあった。
この勝利は体力に勝る欧米選手が、小柄で体力の劣るアジア人選手に敗れた瞬間
でもあったし、西欧の個人主義が「和を以って貴しとなす」とする日本精神に
敗れた瞬間でもあった。

ずいぶん大仰な言い方をする、とお思いだろうが、リオ五輪での男子陸上
400㍍リレーを思い起こしてもらいたい。日本チームは個々の力では決勝へ
進めるレベルの選手はいなかったが、独自に編み出したバトンパスのおかげで
みごと銀メダルを獲得することができた。個人レースとちがって団体の場合は、
息の合ったチームプレーと、バトンの受け渡しといった微妙な必勝テクニック
が勝敗を分けるのだ。

ああ、それにしても大和撫子たちのなんと健気で頼もしいこと。
長身のオランダやアメリカの選手に比べると、悲しいくらいに〝ちっこい〟
が、根性と肝っ玉?だけは図太い。ナニの話ではないが、デカけりゃいいって
ものでもないのだ。それに彼女たちの輝くような笑顔。カーリング女子の
スキップ・藤澤五月の笑顔にスケベーな韓国の男どもがメロメロ、と伝え聞くが、
団体パシュートで〝捨て石〟となった菊池彩花のこぼれるような笑顔もまたいい。

スケベーなボクは菊池の笑顔を見るたびに、
「菊池ィ! かわいいよォ! おじさん死ぬまで応援してっから」
とテレビに向かって咆えている。菊池にはえらい迷惑だろうが、
彩花(気安く呼ぶな!)はボク好みの女なのだ。メディアの阿呆どもよ、
高木姉妹ばかりにスポットを当てないで、縁の下の力持ちを演じた
菊池彩花にも少しは光を当ててくださいな。ゲーテの臨終の言葉ではないが、
「Mehr Licht! (もっと光を!)

←左端がボク好みの菊池彩花。







photo提供:Yomiuri

2 件のコメント:

  1. 労師、ナニ言ってんですか? 
    冬季五輪メダル獲得が史上最多とか言ってる日本国
    ですが、ハッキリ言って日本は桁違いにメダルの獲得
    が少ない超スポーツ後進国です。
    その原因の大きなところは国民の「団体競技バカ」。
    個人戦より団体戦。マラソンより駅伝というのと同じで、
    パシュートだのカーリングだの、個が薄まった美談に
    酔いしれているから、いつまでも超スポーツ後進国。
    「和を以って貴しとなす」…バカ言っちゃいけません。
    「北チョンや露スケと一緒に楽しめるかバカヤロウ。
    こんな茶番劇の大会は辞退するぜ。オレは日本人だ」
    これくらい言い放つ選手が出てきて、これを称讃する
    国になってこその国威じゃありませんか?
    気が向いた時だけ「群れ」に混じる癖は、見苦しいな。

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  2. 帰山人様
    ついに出たなァ! 帰山人め、こいつのつむじはいったいどこまで曲がっているのだ。

    お言葉ですが、日本が「超スポーツ後進国」だろうと何だろうと、まったく気にしまへん。
    そんなこと、興味ないもん。

    それとボクが「人と群れるな!」を口ぐせにしているのは、
    付和雷同がきらいで、主体性のない人間を憎んでいるから。

    だからといって団体競技をきらってるわけじゃない。
    そんなこと言ったら、野球もサッカーもできませんよ。

    ま、閣下のことだ、ヒマつぶしにボクをからかっているのだろうけど、
    その手は桑名の焼きナントカだ。

    それと、国威発揚というのがこれまたボクは大きらい。
    支那やロシア、北ちょんはこれしか頭にないようだけど、
    発揚させようともがけばもがくほど恥をかいちゃうんだから、
    なんともご愁傷さまという外ない。

    ボクは群れるときは群れるが、いたずらに群れることはしません。
    協調性は人並みにあるし、滅私奉公的な気概も少しはあるから、
    彩花みたいに「壁」になったり「捨て石」になったりするのは好き。

    ああ、それにしても彩花はカワユイな。
    勝利のどさくさに紛れて、ナントカいう外国人コーチが彩花を抱きしめていたけど、
    とんでもない奴だよ、あいつは。

    あれっ? で、結局、帰山人は何が言いたいんだっけ?
    こっちがせっかくいい気分でいるのに、帰山人ってやつはいつもそれをぶち壊しやがる。

    こんど会ったら、ただじゃおかないからな。

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