「歌手ですか?」
といきなり訊かれた。
(んなわけねーだろ)
と思いつつもニッコリ会釈。
昨日は、やはりスーパーの中で、
知らないおばさん二人に呼び止められ、
「すばらしい歌声で、私、ずっと聞き惚れてました」
サインをしてくれ、と言わんばかりに、
憧れのまなざしで当方を見つめてくる。
その迫りようが、あまりに艶めかしいので、
思わず失禁しそうになってしまった。
おばさんやおばあさんに絶大なる人気がある、
とは日頃公言してはばからない身だが、
カラダを押しつけるように迫って来るおばちゃんたちは、少し怖い。
これが若いきれいなネエちゃんだったら、
こっちから進んでハグしてやるのだが、
おばさんやおばあちゃん相手だと、
善根を積むみたいなふしぎな感覚に襲われ、実にあんべえが悪い。
それでもこれだけの人たちを感動させたのだから、
「蛮爺's」もまんざら捨てたもんじゃない。
今年は「音姫」ことS嬢?とギター巧者のO氏も助っ人として加わってくれた。
厚みの増した歌と演奏は、少なくとも去年のそれよりはマシだった。
今夏のステージでは全部で9曲歌った。
「ひっこめ!」とか「もうやめろ!」とか、心無いブーイングのひとつも
飛んできそうな雰囲気ではあったが、なんとか乗り切れたのはめでたい。
それにしても焼きそばやヤキトリを食うのに忙しい客がいたり、
ジャリどもが目の前を駆けずり回ったりと、舞台環境は〝サイコー?〟だった。
あらかじめとっておいた録音を後で聴いたら、観客のざわめきと子供たちの喚声で、
何が何だかわからないようなステージだった。
そうはいっても、生きていれば来年も歌いたい。
なぜ続けるのか、自分でもよく分からない。
意地になっているところも確かにある。
歌や演奏がからっぺたでもいい。
舞台に立つとなれば、娘たちや婿もわざわざ応援しに来てくれる。
その夜は家族水入らずで賑やかな宴会だ。
そのうち、
「おじいちゃん、がんばれ!」
と孫の掛け声がかかるかもしれぬ。
生きているだけでいい。
生きているだけで、もうじゅうぶん幸せなのだから。
動画はステージで歌った『365日の紙飛行機』。
実はAKB48の隠れファンなのだ。
嶋中労さま
返信削除こんばんは!
持っていかれましたね、ブルーのワンピースの彼女に。
来年は焼き鳥とシャンパンを楽しみながら声援を贈る予定です。
リクエストは、中島みゆきとちあきなおみです。
お願いいたします。
アニキから電話がありました。
田舎者様
返信削除持っていかれましたよ。彼女、主婦兼歌手で、生徒さんにゴスペルを教えている先生でもある。
たしかに場慣れしてるもんな。ボクなんか小心者だから……やきとりはそのうちに。