2016年11月14日月曜日

赤ゲット様のお通りだい!

今日は恵比寿ガーデンプレイス内にある「ジョエル・ロブション」で食事会だ。
義兄の一人娘(スイス在住)が婿さんを連れて来日、兄弟姉妹にお披露目して
くれるというわけである。婿さんはドイツはエッセン生まれの好漢で、
今は二人してスイスの首都ベルンに住んでいる。

星付きレストランでの食事は久しぶり。
もちろんドレスコードがあるから、一張羅のスーツに身を包んでのお出ましだ。
馬子にも衣装で、日頃ユニクロの服ばかり着ている男も、仕立てのいい服を
纏えば、まあそれなりに見られる。

ロブションは今日で3回目。
さすがにしっかりした味つけで、フレンチにうるさい女房もご満悦だ。
会話は婿さんが英語でしゃべり、夫婦同士はドイツ語。
ドイツ語はもうすっかり忘れてしまったが(恥ずかしながら独文学専攻です)、
英語の聴き取りだけはなんとかなった。しゃべるのはからっきしだが、
耳だけはいいので、何を言っているのかくらいは、
おぼろげながらわかる(と思いたい)。

話柄は多岐にわたり、トランプ大統領誕生の話にまでおよんだが、
政治と宗教の話はふさわしくないという西洋の慣習に倣って、
適当なところで切り上げた。ワインはシャンパンに始まり白ワインへ。
ボクは赤ワイン派だが、ボク以外はみな下戸なので、いくらタダ酒とはいえ、
勝手に注文するのははばかられた。で、酒も適当なところで切り上げた。

食事会の楽しみは料理もさることながら、やはり〝おしゃべり〟に尽きる。
それも下世話なやつではなく、できれば高尚な中身のものがいい。
でもその高尚なものをひとくさり弁じようにも、言葉がついてこない。
義兄は英語も独語もペ~ラペラだが、こっちは〝ぺ〟くらいなもので、
語学力はひどく貧しい。というわけで、「高尚」もひとまずお預けにしておいた。

ボクにとっては久々の〝上京〟で、膝の痛みさえなければ、
中学校以来の「東京見物」でもしたいところだったが、
食事会がハネたら、そのまま帰宅してしまった。

ボクの住む和光市は東京と埼玉の境にある町で、
渋谷や恵比寿なら20~30分で着いてしまう。
知らない人は埼玉の山奥にある町と勘違いしてしまうのか、
「まあまあ、遠路はるばるいらしていただき……」などと
恐縮してくれるが、なに、板橋区と練馬区に挟まれた町だから、
ほとんど東京と言っていいくらいなのである。

昔は東京がボクの庭だった。
東京中をくまなく歩きまわったから、知らないところはなかった。
今は逆で、ウォーターフロントはほとんど知らないし、渋谷や銀座、
丸の内もずいぶん変わってしまった。
いつの間にやら完璧な赤ゲットになってしまった。

飛行機にはとんとご無沙汰だから、羽田や成田の変身ぶりも知らない。
カミさんに言わせると、見違えるように変わったらしい。

ボクは典型的な〝おのぼりさん〟になり果ててしまったようだ。










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