2016年11月7日月曜日

お・も・て・な・し

今月半ば、イタリアからお客さんが来る。
30歳そこそこの若者で、名はアドリアーノ。
ボクの娘(長女)が高校生の時、1年間お世話になったホームステイ先の長男である。

実はこのアドリアーノ、長女の留学時には一度も会うことがなかった。
彼もまた入れ違いにアメリカへ留学していたからだ。
初めて会ったのは、女房と長女が留学時のお礼に訪れた数年後のことだ。

アドリアーノは2週間ほどの休暇を利用し、友人と一緒に初来日するという。
そのことをメールで長女に告げ、長女が実家にも顔を出してくれと声をかけたら
快諾してくれたらしい。で、今、彼に何をごちそうしてやろうか、と日夜考えている。

長女のイタリア語もだいぶ錆びついているとは思うが、
勘が戻ってくると流暢にしゃべり出す。日頃は会社で英語漬けになっていて、
イタリア語を使う機会などほとんどない。たまにイタリア人の女ともだちと
連れ立って出かけたりしているから、せいぜいその時ぐらいだろう。
あるいはフェイスブックでイタリア人のともだちとおしゃべりする時くらいか。

ボクはもちろんイタリア語はわからないし、英語だって相当怪しい。
女房はイタリア料理とフランス料理を得意とする料理記者だから、
イタリア語ですらすらとレシピを書くなんてことはお茶の子さいさいだが、
会話となると、さてどんなものか……

わが家には外国人がよく来る。たいがいは娘2人のともだちか、
ボクのともだちだ。ときどき留学生を預かったりしているから、外国人の扱いには
比較的慣れてはいるが、やはり言葉が通じないというのはもどかしい。

そうだ、やっぱり鍋にしよう。
みんなで鍋料理をつつき合う、というのも外国人にはいい経験だろうし、
和気あいあいとした雰囲気が醸し出せる。ビール以外に日本酒も出してやろう。
燗酒にしたら体も温まるしね。ボクは鍋奉行をやって「あれを食え、これを食え」
とうるさく指示しよう。そして喉に詰まるまで鍋を食わせよう。

ボクはわが家に人を呼んで、プチ・パーティをするのが大好きだ。
生来、サービス精神の旺盛な人間なのだろう。昔は非社交的な人間の典型で、
ともだちなんか1人もいなかったけど、今は佃煮にするほどウジャウジャいる。

来年は、前期だか末期だか知らないが、とうとう「高齢者」の仲間入りだ。
高齢者になったら、友人がいるかいないかで、晩年の生きがいが天と地ほども
違ってくる。気のおけぬ友さえいれば、余生も華やかで楽しいものになるだろう。








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