2018年6月1日金曜日

拉致被害者を奪還するためにも

某業界で〝レジェンド〟と呼ばれている人と酒を酌み交わしました。
ボクより五つ年上の団塊の世代で、温厚篤実を絵に描いたような人物であります。
酔いも手伝ったか、この白髪の紳士が突然こう問いかけてきました。
「嶋中さん、非武装中立というのをどう思いますか?」

一瞬、(ああ、懐かしい言葉だなァ……)とボクは思いました。
その昔、テレビの国会中継で旧社会党の石橋政嗣が与党自民党の首相に
向かって、盛んに持論を展開していたからです。この「非武装中立論」は
当時の社会党の党是でもありました。

ボクもまだ甘ちゃんだった若い頃は、この「非武装中立論」にささやかな
シンパシーを寄せていたものですが、今はもういけません。馬鹿々々しさを
通り越して滑稽そのものです。そんな思いを失礼のないようにやんわり
伝えたところ、このレジェンドはしばらく沈黙したのち、
「非武装中立というのは、やはりだめですか……」
と嘆息、酒席は再び沈黙に包まれました。

このレジェンドは心やさしき人ゆえに「護憲派」なのかもしれません。
護憲派というのはGHQが押しつけた、いわゆる〝平和憲法〟を
後生大事に護り抜きましょう、とするオメデタイ一派であります。
〝オメデタイ〟とは言い過ぎかもしれませんが、リベラルを自称する
人たちの人間観や世界観がリアルな現実からあまりにかけ離れているので、
失礼ながらボクは〝オメデタイ人たち〟と呼ばせてもらうのです。
護憲派はふた言目には「憲法九条の精神を守ろう!」と唱えます。
憲法九条さえ守っていれば、永久に日本の平和は保てるというのです。

ここで第九条の全文を確認しておきます。
一、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力により威嚇又は武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
二、前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。

何度読み返しても、ひどい条文です。
こんなものを戦後七十有余年、無批判に守ってきたのかと思うと、
日本人のオメデタぶりが心底いやになります。「戦争を永久に放棄する」
と条文に謳えば、戦争のない平和な国が築けるのだとしたら、世界中の
国が憲法の条文に書き入れているはずです。しかしそんな憲法が
日本以外の国にあるとは、寡聞にして存じあげません。

「平和にな~れ、平和にな~れ」とお題目のように唱えていれば平和になる
というのなら、「台風よ来るな!」「地震も起きるな!」「津波も来るな!」
と憲法に書き込んでおきさえすれば、自然災害のない平和な国が築ける
のでしょうか。失礼ながら、平和憲法を掲げる護憲派の皆さんにボクは
言いたいです。
「日本が平和でいられたのは憲法のおかげなんかじゃありません。
在日米軍と自衛隊の抑止力おかげなんです。あなたたちの唱える平和主義は、
〝念力平和主義〟と言います。念力ではミサイルは撃ち落とせません」

念力ではミサイルどころか拉致された国民も連れ戻せません。
もしアメリカ国民が北朝鮮に拉致されたとしたら、アメリカという国は必ず、
特殊部隊を投入して奪還作戦を敢行するはずです。ところがサムライの
子孫であるはずの我われの国の憲法はおバカな憲法第九条を戴いているおかげで、
自国民を助けに行くことすらできないのです。護憲派の人たちは、
拉致された人、拉致被害者の家族の方たちに、どのように申し開きを
するのでしょう。平和主義者たちはふた言目には〝人権〟を口にしますが、
拉致被害者たちの人権について真剣に考えたことがあるのでしょうか。
日本は自国民も守れない腰抜け国家だ、と他国から侮られてもいいのでしょうか。

平和主義といえば、永世中立を唱えるスイスは国家予算の三分の一を費やして
重武装化しています。もちろん国民皆兵で、女性とて銃をとって戦います。
同じく永世中立を掲げるスウェーデンも、今年一月から徴兵制を再開しました。
ノルウェーも徴兵制を敷いていますし、フィンランド、リトアニア、エストニア
も徴兵制を敷いています。北欧諸国やバルト三国は隣国のロシアの動きを
気にしています。クリミア併合に見るロシアのあからさまな領土的野心に
警戒心を募らせているのです。

あのフランスでさえ徴兵制を復活させようとしています。二〇〇一年にいったん
廃止されましたが、マクロン大統領は一八~二一歳(約六〇万人)を対象に
一カ月間に限って軍事教練を復活させようとしています。わが家にホームステイ
したフランス人のLucasなんか、女の子といちゃついてばかりいましたから、
いい薬になると思います。それに新選組に憧れてもいましたから、
彼にだって勇猛心のかけらくらいはあるでしょう。この徴兵制の復活案、
軍事的意味合いは薄いですが、イスラム過激派のテロなども頻発している折、
国家防衛の自覚を促す、という意図があるようです。

このように世界は〝非武装〟どころか〝重武装〟の方向へ向かっています。
悲しいですが、世界の人たちの99.99999……%以上は〝性悪説〟を信じていて、
〝性善説〟を信じているのはノーテンキな日本人くらいしかいないのです。
現に、日本人のように心やさしきチベット人や新疆ウィグル人たちは、
性悪説の標本みたいなシナ人にあっけなく侵略されてしまいました。

日本国憲法の「前文」にある《平和を愛する諸国民の公正と信義》などという
ものは幻想でしかなく、どの国も他国に対しては疑心暗鬼がふつうなのです。
「日本国憲法に〝ノーベル平和賞〟を!」などというおバカな運動がありましたが、
それこそ悪い冗談です。あの平和憲法を世界中の人たちが読んだら、
みな呆れ返ると同時に腹を抱えて笑い出すことでしょう。
そのことを思うと、ボクなんか恥ずかしくて舌を噛み切りたくなります。

拉致被害者たちを一日でも早く日本に奪還するためにも、
ラチもない現行憲法(親父ギャグかいな)は廃棄しなくてはなりません。
順序としたら「廃憲」が先で、次いで日本人による日本人のための憲法を、
翻訳調の似非日本語ではなく、美しい日本語で書かれた憲法を
制定しなければならないのです。それは日本人の誇りを取り戻すための
営為でもあるのです。


←新選組大好き人間のLucas。
1カ月といわず、10年くらい
軍隊で鍛え直したほうがいい。

4 件のコメント:

  1. 労師、非武装中立=護憲=念力平和主義…
    と筋一本で決めつけるのは如何なものでしょう。
    もう少し柔軟かつ優美に考えられませんか?
    そもそも《在日米軍の抑止力のおかげ》による
    平和、それこそが情けない《腰抜け国家》です。

    私は改憲主義者の皆さんに言いたい。現行の
    憲法は廃棄して、無憲国家になりましょうよ。
    自国民の礼節と誇りを信ずるならば、成文憲法は
    無用のハズですね(性悪ならば滅びてイイでしょう)。
    そして、日米安保も廃棄して自国は自国で守って
    《腰抜け国家》を解消しましょう。武装中立です。

    但し、核武装とか徴兵制とか錆びた古代文明の
    武装じゃありません。主要武力は3つに絞る。
    1.超少数精鋭の特殊部隊(地球全土で対テロ)
    2.EMP兵器(ミサイルと衛星で全地球を対象)
    3.生物兵器(主要な穀物と家畜のみを対象)
    以上による上品かつ優雅な抑止力を宣言します。

    実は、核武装して維持するカネも徴兵する人手も
    我が日本国にはありましぇん。ましてや美文の
    新憲法なんて、腹の足しにもならないし、一文の
    得にもなりません。恰好だけ成文したいならば
    AI(人工知能)にでも作らせりゃイイんです。
    労師も、少しはこの世の中を現実的に捉えてから、
    あの世へ少しずつにじり寄ってくださいよ。

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  2. 帰山人様
    わーい、わーい、帰山人様が来たぞー!(オオカミじゃないよ)

    ずいぶんお見限りだったじゃないの。

    そう、まさしく閣下の言うとおりで、米軍に護られた国なんて
    独立国家といえないよね。自国の平和と安全は自分たちで守らねば。

    美文調の憲法なんて要らない?
    そんな殺生な。ボクって微分積分はきらいだけど、美文は好きなの。

    EMP兵器とかAIなんて話になると、文科系のボクとしてはついていけないな。
    上品かつ優雅な抑止力らしいけど、もっとわかりやすく言ってよ。

    いずれにしても閣下にしては初めてまともな意見を吐いたね。
    実を言うと、閣下の頭の中はどうなってんだか皆目わからなかったの。

    クルクルパーかと思えば、時々まっとうなことを言うし、
    利口かというと、そんな気配が微塵も感じられないし……

    まあ、久しぶりに閣下の謦咳に接して嬉しく思いました。
    少しずつ閣下の後からあの世へにじり寄っていくことにいたします。 

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  3. しまふくろうさま、こんばんは。
    ありぼう(ありんこ)やら、けむたん(毛虫)に刺されて、
    右腕がすごいことになっていた木蘭でございます。
    (もう回復してきています)

    「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」
    とは宮沢賢治の言葉。

    今、平和にむかって穏やかに進んでいるという国は皆無に等しく、
    どこも「目には目を。歯には歯を」と。
    お互いがこぶしを振り上げながら、それをおろしもせずに握手をしているようにしか見えません。

    「現憲法があるから日本は平和」ということはありえません。
    非武装中立などまったくもって無理なお話しで、
    まずは改憲して国をきっちりと守ることから始めることが大切と私も思います。

    スイスのように永世中立国になるのもひとつの手ですね。
    国家予算の三分の一を費やして、
    ぐるっと日本を要塞で囲んで、
    も一回、鎖国でもしましょうか。(笑)







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  4. 木蘭様
    「ありぼう」とか「けむたん」はけしからんですな。
    ボクはありぼう君は大丈夫ですが、「けむたん君」はいけません。

    ヘビ、ミミズ、毛虫、ウナギ、アナゴ、ハモ……の類はだめなんです。

    木蘭さんはさすがに仏徒だけに、「山川草木悉有仏性」のお考え。
    たぶんけむたんに刺されても、パチンと〝つぶす〟とか〝壊す〟なんてなさらないのでしょうね。そこが日大アメフト部のU監督と違うところです。

    イメージ的に言えば、僧籍の人たちは〝平和主義者〟で〝護憲派〟のように思えます。
    あくまでイメージですが、そんな感じがします。

    ところが木蘭さんはボクと同じ改憲派で、
    一旦緩急あれば、袈裟を脱いで銃をとるという〝武闘派〟でもある(笑)。

    そんな木蘭さんが好きで、
    いざとなればボクも一緒に銃をとって戦いたい、といつも思っています。

    ボクが住む団地にはインテリが多くていやになります。
    真のインテリではなく駄インテリなんです。

    朝日購読者が多く、一流大学出で一部上場会社勤務、
    リベラル派であることが自慢で、酒を飲むと、昔はゲバ棒を振りまわしていたんだぞ、
    と一つ噺のように披露します。ウンザリです。

    「革命ごっこ」に血道を上げた人間は、いざとなると役に立ちません。
    口ばっかりなんです、彼らは。

    そんな連中は踏み倒し、ボクは木蘭さんと共闘します。
    そのときは〝けむたん〟担当を命じますので、なにぶんよろしく。

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